私のヒーロー。
「でも良かったわ。
凛ちゃんにこんなにカッコいい彼氏ができて。」
渡邉さんの方をチラチラ見ながら言う後藤さん。
渡邉さんがちょっと困ったように眉毛を掻いた。
「後藤さん。この人は彼氏とかじゃないよ。」
「ええ!そうだったの。
ごめんなさいね。
ずっと凛ちゃんに付き添ってくれていたから、彼氏なのかと」
ずっと、付き添ってくれてたんだ。
ふと渡邉さんを見ると、いつものぶっきらぼうの渡邉さんに戻っていた。
「本当にありがとうございました。
お仕事の方って・・・・・・」
「ああ、抜けてきた。」