私のヒーロー。
お風呂からあがるとリビングに2枚布団が敷いてあった。
「ママ―、悠輔絵本読むの下手だよー。」
「うるせえな。黙って聞いてろ。」
そう言うと悠輔さんは絵本の続きを読み始めた。
聞いているだけで笑えてくるほど、悠輔さんの読み方は棒読みだった。
「ふふ」
「おい、なに笑ってんだよ。」
「悠輔さんやっぱり下手ですよ。」
「下手じゃねえよ。なんでお前らには分かんねえのかな。
俺の神がかった上手さが。」
そんな事を本気で言っている悠輔さんがまた可笑しかった。