~とある教師と優等生の恋物語~
小さく消え入る声と一緒に俯く彼女の顔も漆黒の髪に隠れた。


軽く腰掛けていた作業台からトンと降りて白川へと近づく。


彼女を覆う真っ黒なストレートの髪。


見下ろした彼女の髪の根元は……


(まいったな……。ホント)


ライトブラウン。

その髪にそっと触れてみた。

その瞬間にビクンと大きく揺れて。

逃げていくのかと思ったら、そのままされるがままに髪を撫でられている。


黒く、不自然なまでにまっすぐで濡れたような漆黒の髪と栗色の根元。


「どんだけ不器用なの、お前」


そうつぶやいた瞬間、


俺達の足元に窓の外と同じように、


雫がポツポツと静かに降りそそいだ。
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