~とある教師と優等生の恋物語~
マンションから出て、タクシーを拾うために大通りを目指す道中、白川の機嫌はすこぶる悪かった。
「何怒ってんの?」
「…………べつに」
左隣をすたすた歩く白川の不満そうな横顔が時折対向車のライトに浮かび上がる。
「タクシー降ろされたからか?」
「バカじゃないの?」
「じゃ、帰りが遅くなったから?」
「…バカ」
(『バカ』しか返って来ねぇじゃんよ~)
故意にブツ切りにされる会話は心地悪い。
(んなに怒んなくてもよくねぇか?)
「てかなんで怒ってんの?」
「……ジローのバカ」
「お前ねぇ、教師にバカバカ言い過ぎだろ。今日だけで何回言ったよ?」
(マジで怒りすぎじゃねぇの?)
「知らない」
「何怒ってんの?」
「…………べつに」
左隣をすたすた歩く白川の不満そうな横顔が時折対向車のライトに浮かび上がる。
「タクシー降ろされたからか?」
「バカじゃないの?」
「じゃ、帰りが遅くなったから?」
「…バカ」
(『バカ』しか返って来ねぇじゃんよ~)
故意にブツ切りにされる会話は心地悪い。
(んなに怒んなくてもよくねぇか?)
「てかなんで怒ってんの?」
「……ジローのバカ」
「お前ねぇ、教師にバカバカ言い過ぎだろ。今日だけで何回言ったよ?」
(マジで怒りすぎじゃねぇの?)
「知らない」