~とある教師と優等生の恋物語~
「ごめん……。ごめんな?」


「…………」


「あんな抱き方してごめん。反省してる。ごめん」


「……」



立ち止まって頭を深く下げた。隣を歩いていた黒いパンプスがコトリコトリと小さな音をたてて視界から消えていく。


「いっぱい傷つけて、ごめん―…」


暗がりに響いていた音が少し先で止んだ。


「俺、あの事に関してはどんだけ謝っても足りないって自覚してる。もし今もそのことでお前が怒ってるとしたら、それは当然だから、ごめん」


キミにたくさんのごめんをどうしたら伝えられるのだろう――
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