~とある教師と優等生の恋物語~
「ごめん、白川。今日はここまでで終わりにさせて?」


「なんで?」

「……」


(分かってるくせに、なんだそのわざとらしい程の無垢な表情は)


「……ジローが行ったって何にもならないよ?」


(ほら分かってるんだ、白川は)


「でも俺行かなきゃ。修司出張中で連絡取れないし、心配だから」


そう言いながら、早くもケータイをポケットにねじ込む。


「アイツの両親北海道だし。てかやっぱひとりじゃ心細いだろ?ごめん。今回だけはごめん」


「約束と違う。ちゃんとデッサンみてくれるって約束したでしょ」


「ごめん」


「嘘つき」


「……すまん」


「行くのやめなよ」
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