~とある教師と優等生の恋物語~
「あれ?……お前なんでここにいるの?」

「はい、これ」


蛍光灯に照らされた髪がしっとりと光る。


彼女が差し出したのは白いコンビニのビニール袋。


中はサンドイッチが2パックだった。


「お腹空いてるんじゃない?一緒に食べようと思って」


「ありがたいけど……なんで?」


(ここに来たの?)


「『疑うなら来れば?』って言ったのジローでしょ?」


「……それは、そーだけど」


「なんて嘘。ただの差し入れ」


「……」


ふに落ちない俺の腹がぐうっと鳴って、白川が小さく笑った。


缶コーヒーを2本買い長椅子に腰掛けると、サンドイッチをどちらともなく食べ始めた。

「……で、永井先生は?」

「陣痛室」

「ジロー会えたの?」

首を振ると「だから言ったじゃん。ジローがここにいる意味ってないんじゃないの?」と真顔で聞かれた。
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