~とある教師と優等生の恋物語~
ケータイをしまう俺を隣から白川が覗き込む。

「ねえ、ジロー」


「ん~?」


「ジローと永井先生ってやっぱり何か変。おかしい」


「気にしすぎだろ」


「なんか、気になって仕方ないんだもん」


「……もっと他の事に目ぇ向けなさいよ。勉強とか勉強とか勉強とか――」


隣を見下ろすと上目遣いの真剣な眼差しにドキリとしてしまう。


「もうこれで聞くのやめるから、ちゃんと答えて?ジローって永井先生が好きなの?」


(ああ…)

こういう所だけはなぜか白川は子供だ。


「世の中、好き嫌い以外の感情もあるでしょーが」


「じゃ、どんな感情?」


(そんな真っ直ぐな眼差しを向けられたら困ってしまう)
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