~とある教師と優等生の恋物語~
「退廃的だよねぇ、キミも」


「けど、ジロー程じゃないからあたしは大丈夫って思ってた」


「……白川の中の俺ってなんかそういう人間失格のボーダー的なモノなわけ?」


「前まではね。けど、この間の夜からちょっと違う。だってジローってば急にまともな恋してたのかもしれなくて、しかもお人好しだったりして……」


「全部聞いてたわけ?修司との話」



「全部じゃないわよ、仕事しながらだけど。声でかいんだもん、永井先生の旦那さん」


(修司のバカたれ)


「あの夜に紫苑で見たジローも、永井先生と話すジローもあたしが知ってるジローよりもずっとマトモで。永井先生に『なんかあったら連絡しろよ』って言うジローがなんか嫌で。あたしから急に遠のいていっちゃうみたいで。寂しくなるんだもん」


「居なくなんねぇよ。俺オバケじゃねぇもん。消え方知らないし」


(本当……まいったな)

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