~とある教師と優等生の恋物語~
話終えた頃には、白川の涙はしっかりと乾いていて。


「旦那さん知らないの?ムッチムチが好きってのが嘘なのも?」


(ムッチムチの件に関してはほぼ見破られてるけどねぇ……。誰かさんのおかげで)


「白川。人生、知らなくていいことってあるんだよ、確実に。これは秘密とかそいういうもんじゃなくて……たぶん人生のマナーみたいなもんだ。いまさら言う必要なんかない。知る必要もない」

ましてや事実としてはあやふや過ぎるから。


「それからはもう本当になにもないの?」


「ないない。不思議なほどにないんだよな。あの駆け落ちしよう!ってあの夜も結局修司と飲んで、結婚指輪の相談受けて。で、三人であーでもないこーでもないって話して、結局俺の知り合いのデザイナーに作ってもらったんだもん、あいつらの指輪」


「ジローってどこまでお人好しなの」


「あ、バカにしてる?」

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