~とある教師と優等生の恋物語~
黒髪の向こう側、小さく必死で駆けてくる修司が見えた。
「生まれた?生まれたのか!」
走り込んできた修司に「受付行け」と赤いライトの下の小さな窓口を指さした。
受付の女性から部屋の場所や出産の立会いの説明を受け終えた修司が、俺たちを振り返る。
「すまん。俺すぐ行かなきゃ」
「分かってんよ。修司、俺ら帰るから」
「ジロー、ありがとな。それから……俺この前――」
「記憶あんのかよ?」
わりィ、途中からない、と頭をかく修司。
「修司。もう一回だけ言わせて?……俺、香織を好きだった事なんて一度もない。だいたいアイツは女というよりは男の部類に――」
「失礼な奴だな、俺のハニーに向かって」
「お前が妙な事いうからだろうが」
「もう言わないよ」
修司の口角がキュッと上がった。
「生まれた?生まれたのか!」
走り込んできた修司に「受付行け」と赤いライトの下の小さな窓口を指さした。
受付の女性から部屋の場所や出産の立会いの説明を受け終えた修司が、俺たちを振り返る。
「すまん。俺すぐ行かなきゃ」
「分かってんよ。修司、俺ら帰るから」
「ジロー、ありがとな。それから……俺この前――」
「記憶あんのかよ?」
わりィ、途中からない、と頭をかく修司。
「修司。もう一回だけ言わせて?……俺、香織を好きだった事なんて一度もない。だいたいアイツは女というよりは男の部類に――」
「失礼な奴だな、俺のハニーに向かって」
「お前が妙な事いうからだろうが」
「もう言わないよ」
修司の口角がキュッと上がった。