~とある教師と優等生の恋物語~
イヒッと花束を肩に担いだままタローが片方の口角を上げる。


190を超える長身にスーツがよく似合っていた。

俺とは違うタイプの男が


「また懺悔?こんなとこで?」


白い紙に巻かれた花束で俺の肩をバサッと叩きながら嫌味を吐く。


「意味ないって気づかないの?ジローちゃん、バカなの?」


墓前のタローはとても辛辣だ。


俺が母さんの死に目に会いに行かなかったから。


「ほら、綺麗だろ?」


俺の目の前に差し出される花束。


「墓前にバラ?」


「いーじゃん。本人が好きな花添えたほうが」


俺に墓前に添えろ、という意味で花束は俺の目の前に差し出されているのだろうけど、


それに従う気はない、とかすみ草に囲まれた真紅のバラをタローに押し返した。
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