~とある教師と優等生の恋物語~
ユカリさんの家族には連絡できたのか?と訪ねようとして口を噤む。
夕方に運ばれたとして……結構な時間が経っている。
家族に連絡が取れたとしても、白川がこの時間に病院から電話してくるということは、少なくともまだ帰れる状態にないから電話してきているに違いないのだから。
車のキーを掴み、財布とケータイをポケットにねじ込む俺の耳に少し遠慮がちな声が響いた。
『ジロー来てくれる?』
「すぐに行く」
『ん。待ってる』
ドアを開けると生暖かい風が頬を撫でた。
俺と白川の長い夜の幕開けだった。
夕方に運ばれたとして……結構な時間が経っている。
家族に連絡が取れたとしても、白川がこの時間に病院から電話してくるということは、少なくともまだ帰れる状態にないから電話してきているに違いないのだから。
車のキーを掴み、財布とケータイをポケットにねじ込む俺の耳に少し遠慮がちな声が響いた。
『ジロー来てくれる?』
「すぐに行く」
『ん。待ってる』
ドアを開けると生暖かい風が頬を撫でた。
俺と白川の長い夜の幕開けだった。