～とある教師と優等生の恋物語～

「島先生、課題ここでいい？」


「あ？そこ置いといて。どもども」


青いかごに入れられたのは無数の手のデッサンだ。


それをパラパラとめくり、ため息をつく。


（これ採点すんの嫌だなぁ）


たまに一生懸命さの見えるものもあるけれど、ほとんどが適当な仕上がりで。



実際高校生の美術の授業なんてほとんどの生徒が遊びと勘違いしているからしかたのない事だけれど。


（美術なめやがって）

心でブチブチ文句をいいながら、とりあえずは提出状況を見るためにざっとデッサンと裏にある名前をチェックしていく。


なんて単純作業なんでしょう。


「あ～、タバコ吸いてェ……。てか何だこりゃ？」