~とある教師と優等生の恋物語~
コール五回で切ろうと決めていた電話のコール音は、四回目の終わりで途切れた。

『もしも~し』


「もしもし、修司?」


『おお、久しぶりじゃん。どした?』


相変わらずの声にホッとして思わず口元が緩む。


『…なんだよ?あ、今度遊びに来いよ、出産祝い持って』


「カツアゲでしょ、それ」


『カツアゲじゃねぇよ。てか可愛いから見に来いって!マジ信じらんねぐらいに可愛いんだって!』


「……なんかその幸せ全開テンション、ムカツク」


『ひがむな、ひがむな。……で?…用件はなんだよ?』


「ああ、そうだった。あのさ~、カオリンに愛してるよって伝えておいてくれる?」


『バカか!マジアホか!ジローコノヤロー』


「ヤキモチ妬くなよ。もちろんお前も愛してるよ」


『…ジロー、病院行け。今すぐ行け』


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