~とある教師と優等生の恋物語~
なんで?と聞き返すそれは本当に何も分かっていない子供のような声色で、胸が苦しくなる。


「だってジローはジローでしょ?」


「……まあ、そうだけども」


「なら――」


「俺、教師だから」


(苦しくなるから)


「……なんで?」


「教師をジローなんて呼ばないでしょ、普通。おかしいだろ」


普通の教師と生徒に戻らせてよ。


教師になんなきゃ、いつかキミを押し倒しそうだから。


これ以上、キミに不必要な傷跡はつけちゃいけないから。


キミを奪いたくなるから。


俺とキミの恋愛なんてありえないから。


どれが一番の理由かなんてもう分からないけれど


とりあえずは――


キミは居るべき場所があるんだし


もう俺を必要としないから


さようなら、だ。
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