~とある教師と優等生の恋物語~
(さあ、煙草だ、煙草。休憩タイムだ)


足取り軽く屋上へ続くドアを開けると、そこには想像していたよりも青い空が欲していた開放感を満たしてくれる。



「屋上は……空だよな、きっと」



そんなふざけた事を口にしてから、くわえていたレモン色の禁煙パイポを胸ポケットにしまい、内ポケットから煙草を出すとそれをくわえた。


「あ~、生き返る……」


透き通る青に吐き出す煙は、5月の風に優しく撫でられては消えていく。



(美術講師の一番いかんトコは煙草が吸えないトコだよな)



「校内禁煙です」



二口目を吸い上げたところで、思わぬ声にビクッと肩を震わせてしまった。
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