~とある教師と優等生の恋物語~
誰も居ない車中で、たぶん赤くなってるだろう自分の両目を右手で覆った。


絶対に手に入らないと実感したとたんに欲しくてたまらなくなる。


(俺もだいぶアマノジャクだよな)


そこにあった時間を失いたくなくなる。


そして――


キミのいた空間を描きたくなる。


(なんだよ)


居なくなってまで厄介な白川杏奈。



車を走らせながら、何年かぶりにまっさらなキャンバスに心を馳せた。




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