~とある教師と優等生の恋物語~
お盆には亡くなった人の魂が戻ってくるというけれど。


俺の所に母さんが来てくれるような事はなく、結局大した事もしないまま、何も変わらないまま


夏休みも終盤を迎えていた。


いつも通りの学校。


いつも通りの屋上での一服。


今年の夏は暑い。


頬を伝った汗が、アスファルトに小さなシミを作った。


「ビール飲みてぇなぁ、おい」


ジリジリと照りつける太陽を恨めしそうに見上げると、申し訳程度の風が吹いた。


(キミに会えない夏休みは気の抜けたビールみたいだ)


悪気のない陽射しに目を細め、苦笑いをした時だった。


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