~とある教師と優等生の恋物語~
「ジローお腹すいた」

なんて前と同じことを言いながら戻ってきた彼女の頬と目は、少し赤みを帯びていて


彼女が泣けたことに安堵した。


「あ…そういえば、俺昼食ってねぇじゃん……」


「あたしも。ジローなんか美味しいもの奢って?」


「美味いもん?」


「やっぱこの時期はハマグリじゃない?」

マジか?と財布の中身を頭に思い浮かべ、ATMのあるコンビニがあるだろうか?と思案する俺に、


「嘘だよ。ファミレス行こう、ファミレス」と白川は笑った。


結局、また島先生からジローにもどってしまったけれど…


(まぁ、スペシャルデーだし)


海辺の小さなレストランで簡単に食事をして、夕日が沈むのを眺めてから俺達は帰路についた。
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