~とある教師と優等生の恋物語~
二学期――
まだ夏真っ盛りといった気候にぐったりしながらも、
(キミと過ごした季節が過ぎるのは少しだけ名残惜しくて、なんとなく寂しい)
そんな気持ちで向かえた二学期。
(いい加減俺も忘れりゃいいのに)
久しぶりに人を愛しいと感じたと思ったら今度は寂しいのだから。
(なんともやっかい)
「失礼しま~す」
聞きたくて聞きたくない声、
会いたくて会いたくない人が美術室に入ってくる。
(こんな状況で忘れるとか無理だろ)
画材を片付けに来た白川を、軽く睨みつけてやった。
「な、なによ?」
「…別に。片付けだろ?そっち。お前の荷物」
「ありがと」
白川は部屋の片隅に置かれた箱を覗く。
「うわッ。油漏れしてる…。ベトベトだわ」
「…ほれ」
雑巾を一枚投げてやると「ありがと」と言いながらそれで道具を掃除し始めた。
まだ夏真っ盛りといった気候にぐったりしながらも、
(キミと過ごした季節が過ぎるのは少しだけ名残惜しくて、なんとなく寂しい)
そんな気持ちで向かえた二学期。
(いい加減俺も忘れりゃいいのに)
久しぶりに人を愛しいと感じたと思ったら今度は寂しいのだから。
(なんともやっかい)
「失礼しま~す」
聞きたくて聞きたくない声、
会いたくて会いたくない人が美術室に入ってくる。
(こんな状況で忘れるとか無理だろ)
画材を片付けに来た白川を、軽く睨みつけてやった。
「な、なによ?」
「…別に。片付けだろ?そっち。お前の荷物」
「ありがと」
白川は部屋の片隅に置かれた箱を覗く。
「うわッ。油漏れしてる…。ベトベトだわ」
「…ほれ」
雑巾を一枚投げてやると「ありがと」と言いながらそれで道具を掃除し始めた。