~とある教師と優等生の恋物語~
担当教員の欄にサインを書き込みながら、「なあ、このシステムって断るって権利あんの?」となんとなく聞いてみる。


「え?あるんじゃない?人気のある先生とかは人数が増えると断るみたいだし。でも島先生はその心配ないじゃん?」


「てめェ、それがまさかの理由か?」


「え?違うよ。違うってば。仕方ないじゃん、美術の担当って先生しかいないんだから」


担当が一人しかいないから選べないという彼女。


きっと少しまえの俺なら面倒くせェとか思って、倉沢アトリエを紹介して終わりにしてただろう。


だけど今は――

「あ、これだけは先に聞いておきたいんだけど。お前、絵は好きか?美術好きか?」


「ああ、うん。それはもう大好き。それだけは胸はって言える」


それならばいいかな、と彼女を見て思う。

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