~とある教師と優等生の恋物語~
生き方あらためたら?と真顔で言い放ち、ジョッキを口に運ぶ修司。


修司なんて嫌いだ、とため息ついて俺もビールを煽る。



「……なんでお前にこんな話しちゃったんだろう。人選完全に間違った気分だ」


「誰に相談したところで答えは変わんないだろ。キミね。ジロー君よ。本物の恋をしなさいよ」


「なにそれ、おいしーの?てか、面倒くさ」


本気で人を好きになれとか、恋はいいとか、したらお前の人生も変わるとか、そのぐらい愛は無限大だとか……


そんな説教をされながらさらにビールを飲み、ウーロンハイを二杯飲んだ頃、修司のケータイから『恋の奴隷』が流れた。



修二のお説教は口で言うほど嫌いじゃない。



だって、人ってこんなに真面目に純粋に生きていけるもんなんだな~って、人を信じてみようかなぁって思えるから。


だからってそれをコイツに言ったことはないけど。
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