~とある教師と優等生の恋物語~
「何の用ですか?」


開口一番がこれってどうよ?


優等生はどこに行ったんだ。居留守か!



「普通は『失礼しま~す』じゃねェの?」


「普通はそうですけど。どうせ島先生しかいないでしょう?」


なんてしゃらっと言ってのける白川は、今や俺の目の上のたんこぶ的な存在だ。



あのまま会わずにすむ関係なら良かったのに。

きっと俺の神様、居留守中に違いない。


「……立石美術大学の推薦希望の件なんだけどさ。てか白川ってマジで優等生なの?」



「どう見ても優等生です」



昼休みの美術準備室で、俺の机に腰掛けた優等生の筈の彼女に一応聞いてみる。



優等生は教師の机に腰掛けたりしないと思うのだけれど。



さらに彼女が発すると敬語が攻撃的に感じるから不思議だ。しかもそれって俺限定。


エセ優等生の正体を知ってしまった俺にのみ繰り出される攻撃のようだ。


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