~とある教師と優等生の恋物語~
「だから何度も言ったとおりです。母の母校に行きたいんです。一般試験の実技であたしがあの大学に受かるわけないから、推薦で行きたいんです」


白川の母親が版画を中心として芸術活動をしているあの『星野洋子』であると知ったのは数日前のことだった。


確かに一般試験のレベルからして白川が合格するのは難しそうだけれど。


「それって大学の志望理由になんの?」


「なります。だってそれが理由ですから、実際。事実です」


「なんかそういうの俺、認めたくないんだけど」


「島先生がいやとか、認めないとか、そういうの関係ないです。てか、あたしの人生の邪魔しないでください」



人生の邪魔って……コラ。
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