~とある教師と優等生の恋物語~
(コノヤロー)

足元に落ちているのは輪ゴム。


(ゴム鉄砲かよ。昭和か!)


「いってェな」


「なんで?どこが?自慢じゃないですけど、あたしちゃんとデッサンの勉強も油絵の勉強もして――…」


「ああ、それはデッサン見れば分かるんだけどさ――…」


そうだろう。普通に見ればそれなりに上手いのだから。

きっと彼女は母親の絵画教室にでも通ってそれなりに『技術』を磨いてきているのだろう。


「とにかく推薦できるかどうかだけでもいいから。倉澤先生に聞いてもらえますか?島先生って倉澤アトリエの講師だったですよね?」



「三月までね。永井先生の産休明けたら、また倉澤アトリエに戻るつもりだけど」
< 38 / 277 >

この作品をシェア

pagetop