~とある教師と優等生の恋物語~
だって――

見間違いでないのなら、白川は確かにあれを思い出した瞬間、傷を負った顔をしていたから。


(ね……傷、ついたの?あの夜、俺はキミを傷つけたの?)


到底演技とは思えない彼女のそのミルクティー色の瞳。


傷を隠すかのように強く光る眼差し。


そう言えば、初めてだった。


一晩だけの相手のその後を知ったのは。


慣れた女と一晩だけを過ごして来たって、勝手にそう思ってたけど。


もしかしたらこうして傷ついた目をした人もいたのかもしれない……。


(ああ……)


「今更謝らないでくださいね。あたし望んでませんから」


「……」
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