~とある教師と優等生の恋物語~
重くうざったいような気持ちを振り払うように、帰宅する車を発進させる。


『センセー、さよーならー』なんて大声をあげて手をふる女生徒達に軽く手をあげた。


歳相応な笑顔でじゃれ合う彼女達。

あれがきっと普通。



普通じゃないのは、白川杏奈だ。アイツが普通じゃないだけ。


(しかし…どれが本当の姿なんだろう)


情事の後の彼女。


優等生の彼女。


傷ついた顔した彼女。


憎たらしいことばっかり口走るけど子供っぽさの残る彼女。



どれもがあまりにも違いすぎる。


どれが本当の彼女なんだろう。


白川安奈はなんてアンバランスなんだろう。


考えたくもないのに、頭の中で渦巻くのは全部白川杏奈の事だった。
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