~とある教師と優等生の恋物語~
『奥様、知ってる?富永先生休職ですって』


『え?なにかあったのかしら?』


『世知辛い世の中ですからね~』


『大人って大変なんですね~』


あのお礼にと白川が俺にくれた弁当を口に運びながらそんな会話をした。


「あ、雨だ」


「ホントだ」


「あたし傘忘れちゃった。送って?」


「嫌です」


「ケチ」


「……」


気が付けばいつの間にか雨の多い季節になっていた。
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