~とある教師と優等生の恋物語~
「もうすぐだよね、倉澤先生に見せるの」


「ん~。明後日だから。ちゃんと準備しとけよ?」


「え?もう大体出来てるでしょ。あそこの棚に並んでるヤツ」


「違うよ、心の準備ってヤツ」


「ああ、そっちね。はーい」


明るい白川の声に反比例するかのように、梅雨独特のじめじめした湿気が重く体にのしかかっているように感じる。


重く感じるのはそのせいだけじゃないって分かっているけれど。


「言っとくけどこれで本当に最後だからな」


だって結論に達してしまったから。


「分かってるって」


確信してしまったから。


白川は描くことが嫌いだ―…
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