~とある教師と優等生の恋物語~
『彼女が小さい時に母親に連れられて、誰だかの展覧会のオープニングパーティーに来てたんだけど。すっげぇ可愛かったもんな~。ツバつけときゃ良かったな~』


「…………」


『いやいや、母親は和風な控えめな感じじゃん?いわば地味。でも娘はまるっきり違うわけよ。幼いのに華やかなんだよな。オーラっていうの?色素薄い感じでさ。髪なんて栗色っての?毛先がクルクルって巻いてて――…』


喋り続けるタローの声。


制服姿の白川が脳裏をかすめ、それがさらに俺を憂鬱にした。



『ありゃ天性のものなんだろうなぁ。天使みたいな容姿だもの。で、俺のエンジェルがどうしたって?』


「お前はロリコンか!」


『はあ?そんなの思いっきり“はあ!?”だね、ジロー君。男は皆ロリコンなのだよ。っていうか高校生はもう大人だろ。あ、お前生徒と付き合ったりしちゃってないわけ?お前は見かけだけはいいからな、昔から。いい子いたらお兄さんにも紹介しなさいね?』



「……するわけねェだろうが。いい歳してガキに発情すんじゃねェ!!」
< 91 / 277 >

この作品をシェア

pagetop