~とある教師と優等生の恋物語~
人には秘めた想いってのがあって。それはタローにもあるわけで。

それを口に出すほど俺たちはもう子供でもない。


『あ、思い出してきたぞ!聞きたい?聞きたい?エンジェルの秘密』



「なんだよ!わざとらしい演技やめて早く話せよ」



あのね、と話し出した明るいタローの声。



『アンナは、母親の実子じゃなくて、父親の連れ子って話。そんな話があるんだよ。そうそう』


「…………」


真実は突然に。


心臓をわし掴みにされるような感覚。


『俺とお前みたいでしょ?彼女にも同情する?』


――今兄貴はどんな顔をしているのだろう。


握り締めたケータイは汗でぐっしょり濡れていた。
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