~とある教師と優等生の恋物語~
彼女は完璧な笑顔で、完璧な声でハッキリと答える。


「……好きですよ?っていうか好きとか関係ありますか?」


(そう言うと思ったよ)


でももう騙されてやれない。


俺は彼女の最後の頼みを断ち切る。


「関係あるんだよ。結局は絵は気持ちだから。心だから」


「白川の絵ってね、機械が描いたみたい。そこに白川が居ないみたいなんだよね。拷問みたい、こんな絵を描き続けるなんて」


「…………」


「もう隠さなくていいよ。お前が絵を好きじゃないのは分かってるから。この一ヶ月でよく分かったから」


(やっぱり騙されてやれないよ)


小さく白川の瞳が揺れた。


「こればかりはどうにもならないモノなんだよ、白川。お前に足りないのは『描きたい』って気持ちだ」


「、」
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