秘密恋愛
「キミは今日から僕の部屋で一緒に暮らすんだ」
えっ?
それって、拉致って、こと?
「こ、困ります」
「困る?こっちも困るんだけど?」
彼はそう言ってクスッと笑った。
「キミは、あれを見ちゃったんでしょ?誰にも言わないって、そんな保証ないでしょ?それに僕は捕まりたくないしね」
「本当に、言いません……。約束します」
「だから、そんなこと信用出来ないって言ってんの。それとも……」
彼は女性の死体に目をやり、再び私の方を向くとニヤリと笑った。
「あの女みたいになりたい?」
「えっ?」
私は女性の死体に目を向ける。
血まみれで目を見開いたままの女性の死体。
「どうする?」
彼はそう言って、真っ赤な血で染まったナイフを見た。