秘密恋愛
どうするって……。
彼に拉致られるか、それとも殺されるか……。
命は惜しい。
こんな退屈で平凡な毎日だって、生きていたい。
でも拉致られるのも嫌だ。
彼との距離は遠くないけど、手足を拘束されてるわけじゃない。
逃げようと思えば……。
彼をチラッと見た。
「決まった?」
私はコクンと頷いた。
「どっち?」
私は再び彼をチラッと見て、彼に背を向け足を1歩出した。
このまま走って、大通りに出て助けを呼ぼう……。
…………でも。
その思いは虚しくも彼の手によって止められた。