秘密恋愛




「雪乃ちゃん、お腹空かない?」



レイナさんは持っていたスマホをテーブルに置いてそう聞いてきた。



「いらない、です……」



私はそう言って首を左右に振った。



「お腹、空いてないの?」



レイナさんは少し不思議そうな顔をして私を見る。



「…………はい」



昨日、ケーキを食べた以外は何も口にしていない。


だけどお腹は空いてなかった。


胸が苦しくて、食欲がない。



「少しだけでも食べた方がいいよ?コンビニでサンドイッチ買って来たから一緒に食べよ?飲み物もあるよ!」



レイナさんはそう言って、床に置いてあったコンビニの袋からサンドイッチとパックのカフェオレを出してテーブルに置いた。


レイナさんの優しさが苦しい……。


何も知らないレイナさん。



「はい、これ雪乃ちゃんの分ね」



レイナさんはサンドイッチとカフェオレを私の前に置き、自分のサンドイッチのフィルムを開けると、それを一口食べた。




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