秘密恋愛
「キャバ嬢とお客さんとの恋愛は禁止されてるのと……」
私には夜の世界の話は全くわからない。
レイナさんがそう言うんだから、そうなんだろう。
レイナさんはそこまで言うと言葉を切った。
何か続きがありそうな言い方。
「他に、何か理由があるんですか?」
「あぁ、その人ね、既婚者なの」
「そうなんですね……」
「その人とね、いい感じになったことあってね。もちろん店には内緒だけど……」
レイナさんはそう言ってクスリと笑った。
でも、いつもの元気なレイナさんじゃなく、その笑いもどことなく悲しそうで……。