秘密恋愛
「じゃあ、受け取って?ねっ?」
レイナさんはそう言って再び笑顔になった。
私は紙袋を受け取った。
「開けてみて?」
レイナさんの言葉に頷いて、紙袋の中からプレゼントを取り出す。
クリスマスプレゼント用に綺麗にラッピングされたプレゼント。
それを丁寧に開けていく。
中から出てきたのは服だった。
大人っぽい黒いワンピース。
「これ見た時に、絶対に雪乃ちゃんに似合うと思って」
ブランド物に興味のない私でも知ってるブランド物の紙袋に入っていたワンピース。
高校生のお小遣いじゃ絶対に買えない値段だとわかる。
本当にもらってもいいの?
「気に入らなかった?」
レイナさんの顔から笑顔が消えて、真顔で私を見た。
「違うんです」
「じゃあ、どうしたの?」
「こんな高価な物を本当にもらっていいのかと思って」
「なーんだ。そんなこと」
レイナさんは私の言葉を聞いて、安心したのか顔に笑顔が戻った。