秘密恋愛
「気にしないで?雪乃ちゃんにプレゼントしたいと思って買ったんだし、雪乃ちゃんに喜んでもらえたら私も嬉しいから」
「でも……」
凄く高価で凄く素敵なワンピース。
「私ね、嬉しいんだ〜」
「えっ?」
「雪乃ちゃんと仲良くなれて。親友を亡くしてから同性の友達っていなかったしさ」
「レイナさん……」
「だから昨日はさ、雪乃ちゃんに嘘つかれたんだと勝手に思って裏切られた気持ちになって、カーッとなっちゃって……」
レイナさんはそう言って恥ずかしそうに笑った。
「何も事情を知らないでゴメンね……」
私は何も言えずに首を左右に振った。
胸が苦しくて、痛くて……。
「これからも仲良くしてね」
レイナさんはそう言って、私の手を握ってきた。
とても温かい手。
こんなに優しい人を私は騙してるんだ。
聖夜さんを守るために……。