秘密恋愛




「えっ?」



プレゼント?


聖夜さんが私に?


なぜ?


そんな思いが頭の中をグルグル回る。



「今日はクリスマスだからね。だから、ねぇ、雪乃?こっちに来て座ってよ」



聖夜さんの言葉に、私は重たい足を一歩出した。


鉛のように重い足。


一歩、一歩、ゆっくり出して聖夜さんの前に立つ。


そして、指定された場所に座った。


聖夜さんの側にあった小さな紙袋。


その中から長方形の形をしたプレゼントを取り出す。



「はい。これ。雪乃にクリスマスプレゼント」



そのプレゼントを笑顔で差し出す聖夜さん。


本当に受け取っていいの?



「受け取って?」



なかなか受け取らない私に聖夜さんはそう言った。


私は少し震える手でそれを受け取る。



「開けてみて?」



聖夜さんの言葉通りに、プレゼント包装を丁寧にゆっくりと開けていった。


箱を開けると、紺色の箱が現れた。


これって……。


ジュエリーが入ってる箱だ。


長方形の箱ってことは、中身はネックレス?


私は長方形の紺色の箱の蓋を開けた。




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