秘密恋愛




「聖夜、さん……」


「ん?」


「私、凄く苦しいんです……」


「えっ?」



聖夜さんは目を見開いて私を見た。



「苦しくて、苦しくて……。ねぇ、聖夜さん?」



この苦しみから解放されたら楽になれるのかな?


もし、苦しみから解放されて楽になれるのなら……。


全ての罪が消えるなら……。


いっその事、この私を…………。



「…………私を、殺して?」



アナタの手で私を殺めて欲しい……。


あれだけ死にたくなくて必死だったのに。


今はアナタに殺して欲しいとまで思っている。


もしこの苦しみから解放されるなら、罪が消えるなら死ぬことなんて怖くない。


アナタに殺されるなら幸せだとさえ思えてしまう。




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