秘密恋愛
「何言って……」
聖夜さんは目を見開いて私を見た。
「聖夜さん、お願い……私を、私を殺して……」
私はそう聖夜さんに悲願した。
「雪乃、そんなこと言わないでよ……」
「苦しいの!苦しくて、苦しくて……胸が押し潰されそうになるくらい苦しいの……だから、ねぇ、お願い……」
泣きながら悲願する私を聖夜さんは哀れみの目で私を見ていた。
「聖夜さん……」
私は聖夜さんの名前を呼び、聖夜さんの両手首を持った。
そのまま私の首に持っていく。
私の首の周りに聖夜さんの手がある。
聖夜さんの手首を持っていた手に力を入れた。
左右から首の方に向けて。
首がキューと苦しくなっていく。
私はそのまま、ゆっくり目を閉じた。
苦しくて顔が歪んでいくけど、もう少しで楽になるんだ。
そう思うと、聖夜さんの手首を持っている自分の手に余計に力が入る。
あと、少し……もう少し……。