秘密恋愛



生まれて初めてのキス。


驚くと言うよりは、唇ってマシュマロのように柔らかいんだ。


ファーストキスなくせに、そんなことを思った私。


でも、今、私は好きな人とキスをしているんだという思いが頭の中を過った時、胸が痛いくらいドキドキしていた。


聖夜さんの唇が離れる。


まだ唇にマシュマロのような柔らかい感触が残っている。



「初めてだったの?」



少し笑顔を見せた聖夜さんがそう聞いてきた。


私は何も言わずにコクンと頷く。



「意外だね」


「えっ?」


「だって、雪乃は凄く可愛いのに。初めてだったなんて意外だよ」



聖夜さんにそんなことを言われて急に恥ずかしくなった。


可愛いというのはお世辞だとわかっているのに……。



「ねぇ、雪乃?」


「はい……」


「どうして逃げないの?どうして抵抗しないの?」


「えっ?」



私は聖夜さんの言葉に目を見開いて聖夜さんを見た。


どうして、そんなこと聞くんだろう……。


なぜ?


さっきのキスは私を試すためにやったの?




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