秘密恋愛
小さなシングルベッドに聖夜さんと抱き合うように寝ていた。
聖夜さんから抱かれてる時も、今も好きだとか愛してるの言葉はない。
私も聖夜さんに自分の気持ちを打ち明けることはしなかった。
それでいいと思った。
「ねぇ、雪乃?起きてる?」
「うん……」
私は閉じていた目を開けた。
目の前に聖夜さんの顔があり、この人に抱かれたんだと思ったら急に恥ずかしくなった。
胸が煩いくらいドキドキしている。
「ゴメンね……」
聖夜さんはそう言って、私の髪にそっと優しく触れた。
「どうして、謝るんですか?」
「余裕なくて……優しく出来なかった……。それに雪乃の大切な初めてを奪ってしまった……」
「そんなことない!」
聖夜さんの言葉に私は首を左右に振った。
「私は嬉しかったです……」
それに抱いて欲しいと望んだのは私。
だから聖夜さんが謝ることなんてないのに……。
「雪乃……」
「聖夜さん、ありがとう……」
私は聖夜さんに笑顔を見せた。
ここに来て、多分、初めて見せる笑顔。