秘密恋愛
連絡を受けた両親が、もうすぐ来ると言って、女性警官は部屋を出て行こうとした。
「あのっ!」
私は女性警官の背中に向かって呼びかける。
「何でしょう?」
女性警官は振り向き、そう言って首を傾げた。
「あの、せ……いや、彼は……」
「彼?」
女性警官はそう言って不思議そうな顔をした。
「…………あぁ」
しばらく考えたあと、私の言った彼が誰なのかわかったみたいで、そう声を出した。
聖夜さんは病院に運ばれたのか。
これからどうなるのか。
気になるけど……。
「あなたは何も知らなくていいのよ」
女性警官はそう言って困ったように笑った。
何も教えてもらえないのか……。
「そうですか……」
「あ、でも病院に運ばれて一命は取りとめたみたよ」
女性警官はそう言うと、部屋から出て行った。
命は助かったんだ……。
良かった。