秘密恋愛



私が家に帰れたのは、保護されて3日経ってからだった。


年末も押し迫り、世間は新しい年に向けて慌ただしく動いていた。


私が監禁されたニュースは大々的に報道され、警察署、家の前には沢山の報道陣が殺到した。


私たち家族は家から一歩も出ることが出来なかった。


家の中を暗くして、一日中カーテンを閉め切って静かに過ごす日々。


家の中だけ違う世界のようだった。


テレビは一切付けず、事件に関するものは全て目に入らないようにした。


だから聖夜さんがどうなったのか、全くわからない状態だった。


お父さんもお母さんも事件について口にすることはなかった。


私に対しては気を遣っていることが痛いほど身に沁みていた。




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