秘密恋愛
トイレからリビングに戻った私は検査薬で陽性反応が出たことをレイナさんに伝えた。
「…………雪乃ちゃんは、どうしたいの?」
少しの沈黙のあと、レイナさんはそう聞いてきた。
これが、もし聖夜さんと結婚している関係なら“おめでとう”と言ってもらえたんだろう。
でも私と聖夜さんは恋人同士でもなければ夫婦でもない。
だから、レイナさんがそう聞いてきたのは当たり前のこと。
もしこれが逆の立場だったら、私もそう聞いたと思う。
「産みたい、です……」
私はそう答えた。
好きな人との間に出来た大切な宝物。
堕ろすなんて考えられなかった。
「覚悟は出来てる?」
「えっ?」
レイナさんの言葉に、思わず声が出た。
レイナさんを見ると、いつものレイナさんと違って凄く真剣な表情をしている。
覚悟……。
それは、どういうこと?