秘密恋愛
「あのね、えっと……私ね……今、妊娠してるの……」
「えっ?」
私の突然の告白に、お父さんは時が止まったかのようにそう言ったまま目を見開いて固まってしまった。
「妊娠?ちょ、ちょっと!雪乃?嘘でしょ?」
「今日、病院に行って来た。11週だって」
最後まで黙って話を聞いて欲しいなんて、無理なお願いだとわかっていた。
「11週って、まさか……」
お母さんは妊娠経験者だけあって、11週が妊娠何ヶ月かわかり、それが誰の子かもかわったみたいだった。
だから私はコクンと頷いた。
だんだんと目を見開いていくお母さん。
「い、いやぁぁぁぁ!!!」
発狂したようにそう叫び、頭を左右に振っている。
お父さんがお母さんを落ち着かせるためにギュッと抱きしめる。
「何で?ねぇ、何で?何でよぉぉぉ!!!」
泣き叫ぶようにそう言うお母さん。
「ゴメン、なさい……」
「雪乃?それは、つまり……」
お父さんはそこまで言って言葉を切った。
聖夜さんが無理矢理、そういう関係に持っていったと思ったんだろう。
「違う……私は彼を……」
私はお父さんとお母さんに全て話をした。
聖夜さんを好きになってしまったこと。
私から望んで、そういう関係を持ったことを……。