秘密恋愛




「雪乃?嘘よね?本当は無理矢理ヤられたんでしょ?そうでしょ?ねぇ、雪乃?」



お母さんはお父さんから離れると、私の側に来て両腕を掴みそう言いながら私の体を前後に揺すった。



「嘘じゃないし、無理矢理ヤられてもない」


「お母さん、落ち着け!」



お父さんはそう言って、お母さんから私を離す。



「落ち着けるわけないでしょ!」



お父さんにそう叫ぶように言ったお母さん。



「雪乃、明日、病院に行きましょう。ねっ?」


「いや……」



お母さんは堕胎させるために病院に行こうって言っ出るんだ。


そんなこと絶対にいや。


私はお腹の子を産むって決めたんだ。



「雪乃?雪乃はどうしたいんだ?」



お母さんとは対照的にお父さんは冷静で、静かな口調で私にそう聞いてきた。





< 253 / 318 >

この作品をシェア

pagetop