秘密恋愛
「今はインターネットが普及して、何でも調べられる時代だ。今回の事件も一生残る。もしその子がインターネットで調べて、自分の出生の秘密を知る日が来るかもしれない。自分で調べなくても周りが調べて、その子に教えるかもしれない。そうなったら、その子は生き辛さを感じるようになるかもしれない。なぁ、雪乃?一時の感情で物事を決めるのは良くない。産んだあとに後悔しても遅いんだぞ」
「それでも産みたいの!産まなかったことを後悔するよりいい!」
「雪乃……」
お父さんは溜息交じりに私の名前を言った。
「雪乃、まだ遅くないから。ねっ?だから病院に……」
お母さんは泣きながらそう言ってきた。
「私は産みたいの!中絶するなんて考えてない!」
「雪乃!いい加減にして!あなた、わかってるの?お腹の中にいる子は犯罪者の子なのよ!」
「わかってる!それでも産みたいの!彼との子供が出来たことは後悔していない。私がこの子を守る!絶対に!」
そう言った私の目に涙が溜まり、それがポロポロと落ちていく。
口をギュッと結び、声を出して泣きたいのをグッと我慢していた。